プロフィール

平下治
平下治
1978年GISに出会い、翌1979年10月ビジネスGIS専門会社株式会社ジェー・ピー・エス設立、以後一貫してビジネス分野でのGISの運用コンサルタント業務に従事。民間のマーケティング現場での出店計画や既存店の活性化、メーカー等の販売促進計画等を手がける。

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GISマーケティングの株式会社JPS


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入院ベット数の多い県ほど医療費が高いことが分かった

医療費の無駄使い?

前回に続きこの問題を取り上げてみよう。
厚生労働省の調査で住民1人当たり医療費が全国的に多い県と少ない県に1.57倍(入院患者のみ2.09倍)の差があることは前回述べたとおりである。その調査によると要因は入院ベット数に関係していると分析している。つまり、ベット数の多い県ほど医療費が嵩んでいるというのだ。


確かに、病院経営から見れば「ベットが埋まるよう入院患者を増やそう」と考えるのは当然のことだ。地域によっては通院が不便なため仕方なく入院というケースもあると思うが穿った見方をすると「入院の必要のない患者まで入院させている」と取れなくもない。
また、ベット数以外にも、地域によっては同じ病気でも通院の回数や処方される薬の種類や量が全国に比べて多いということも分かったという。無駄はこんなところにあるとみている。


改めて下記の表を見てほしい。住民1人当たりの医療費と人口10万人当たりの病院の病床数を示した表であるが医療費順位と病床数順位が正比例している。

表1:住民1人当たりの医療費と人口10万人当たりの病院の病床数
表.bmp

医療費が一番高い高知県は病床数でも一番多い。2番目に多い山口県は病床数で6番目、3番目に多い広島は病床数では20番目とやや低くなっているが、これは患者が通院する交通手段が充実しているためだと考えられる。しかし、4番目に高い鹿児島の病床数はやはり2番目と多い。

。。

これをオーバーレイマップで見てみると一目瞭然である。
オーバーレイ.bmp
両者とも多い県は黄色、両者とも平均が薄黄色、両社とも低い県は白色で示されている。こういう色の県が多いということは入院ベット数が多い県ほど医療費が嵩んでいるということを示している。
ちなみに、赤系色(橙・ピンク)の県は医療費が高いまたは平均だが病床数はそれほど多くない。逆に緑色系(黄緑・青緑)で示されている県はその逆で、ベット数はやや多いが医療費はそれほど多くないということを示している。

私見だが医療費は住民1人当たりと人口10万人当たり病床数の理想適正数は以下と考える。

都市部=医療費は45万円以下&病床数は1200床以下
地方部=医療費は55万円以下&病床数は1600床以下

患者が効率よくちゃんとした医療が受けられるかどうかが重要なポイントになる。医療に関しては診療科目や通院可能な交通手段など地域的な事情も多いと思うがやはり見直せるところにはしっかりとメスを入れるべきだ。

当然、関係省庁、関連機関では地域医療の在り方、病院の配置、診療科目の見直しなど入念に検討されていると思うが、加えて、患者と病院の位置関係なども含めてGISの果たす役割が多くあると考えられる。改めて、GISの活用による無駄撲滅を真剣に考えてみてはどうだろう?