プロフィール

平下治
平下治
1978年GISに出会い、翌1979年10月ビジネスGIS専門会社株式会社ジェー・ピー・エス設立、以後一貫してビジネス分野でのGISの運用コンサルタント業務に従事。民間のマーケティング現場での出店計画や既存店の活性化、メーカー等の販売促進計画等を手がける。

トラックバック

RSS


GISマーケティングの株式会社JPS


« 2014年7月 | メイン | 2015年3月 »

2014年8月 アーカイブ

2014年8月19日

医療費に大きな地域差  病院の病床数に関係が?

住民一人当たりの医療費、高知県は61万2000円、千葉県は39万円で1.57倍、入院患者では2.09倍の差(厚生労働省)
厚生労働省が行った住民1人当たり医療費調査(2011年)によると全国47都道府県で大きな差があることが分かった。
                                         (2014年8月17日読売新聞)

厚生労働省の調査によると2011年度の住民1人当たりの医療費が多い県と少ない県では1.57倍もの差があると発表した。全国で一番多い県は高知県の61万2000円、次いで山口県の60万5000円、広島県の59万円と続いている。一方少ない県は千葉県の39万円、埼玉県の39万9000円、沖縄の40万円である。
最も多い高知県と最も少ない千葉県では1.57倍の差がある。これを入院患者だけに限定した場合、高知県の33万3000円に対して千葉県は15万9000円で実に2.09の差が出ている。
ちなみに、75歳以上のいわゆる後期高齢者に限ってみると最も多い県は福岡の115万3000円、最も少ない岩手県が73万3000円の差で偶然にも全体と同じ1.57倍である。

表1:住民1人当たり医療費と人口10万人当たり病床数

表.bmp


そこで、今回は住民1人当たりの医療費でデータマップを作成してみた。
図1:都道府県別住民1人当たりの医療費MAP

医療費.bmp

これをみると中国・四国・九州が高く、北海道を除く東日本が低いことが分かる。明らかに西高東低の傾向が読み取れる。また、青森から愛知までの太平洋沿岸地域は医療費が少ないことも分かる。

なぜこれほどの差が出ているのか?政府の調べによると病院のベット数(人口10万人当たり)が多い県に医療費が高くなっている傾向にあると分析している。データマップで検証してみようと思う。

図2:人口10万人当たり病床数

図2_titleなし.png

このデータマップを見ると確かに上の医療費マップと大変よく似ている。つまり、政府が分析している通り、病床数の多い県に医療費が高いと事が見て取れる。

次回はこれをオーバーレイマップで見てみよう。



>> 続きを読む

2014年8月21日

入院ベット数の多い県ほど医療費が高いことが分かった

医療費の無駄使い?

前回に続きこの問題を取り上げてみよう。
厚生労働省の調査で住民1人当たり医療費が全国的に多い県と少ない県に1.57倍(入院患者のみ2.09倍)の差があることは前回述べたとおりである。その調査によると要因は入院ベット数に関係していると分析している。つまり、ベット数の多い県ほど医療費が嵩んでいるというのだ。


確かに、病院経営から見れば「ベットが埋まるよう入院患者を増やそう」と考えるのは当然のことだ。地域によっては通院が不便なため仕方なく入院というケースもあると思うが穿った見方をすると「入院の必要のない患者まで入院させている」と取れなくもない。
また、ベット数以外にも、地域によっては同じ病気でも通院の回数や処方される薬の種類や量が全国に比べて多いということも分かったという。無駄はこんなところにあるとみている。


改めて下記の表を見てほしい。住民1人当たりの医療費と人口10万人当たりの病院の病床数を示した表であるが医療費順位と病床数順位が正比例している。

表1:住民1人当たりの医療費と人口10万人当たりの病院の病床数
表.bmp

医療費が一番高い高知県は病床数でも一番多い。2番目に多い山口県は病床数で6番目、3番目に多い広島は病床数では20番目とやや低くなっているが、これは患者が通院する交通手段が充実しているためだと考えられる。しかし、4番目に高い鹿児島の病床数はやはり2番目と多い。

。。

これをオーバーレイマップで見てみると一目瞭然である。
オーバーレイ.bmp
両者とも多い県は黄色、両者とも平均が薄黄色、両社とも低い県は白色で示されている。こういう色の県が多いということは入院ベット数が多い県ほど医療費が嵩んでいるということを示している。
ちなみに、赤系色(橙・ピンク)の県は医療費が高いまたは平均だが病床数はそれほど多くない。逆に緑色系(黄緑・青緑)で示されている県はその逆で、ベット数はやや多いが医療費はそれほど多くないということを示している。

私見だが医療費は住民1人当たりと人口10万人当たり病床数の理想適正数は以下と考える。

都市部=医療費は45万円以下&病床数は1200床以下
地方部=医療費は55万円以下&病床数は1600床以下

患者が効率よくちゃんとした医療が受けられるかどうかが重要なポイントになる。医療に関しては診療科目や通院可能な交通手段など地域的な事情も多いと思うがやはり見直せるところにはしっかりとメスを入れるべきだ。

当然、関係省庁、関連機関では地域医療の在り方、病院の配置、診療科目の見直しなど入念に検討されていると思うが、加えて、患者と病院の位置関係なども含めてGISの果たす役割が多くあると考えられる。改めて、GISの活用による無駄撲滅を真剣に考えてみてはどうだろう?